株式会社NENGO 和泉様|注目企業インタビュー

不動産業界の注目企業インタビュー
株式会社NENGO 
不動産統括マネージャー 和泉 直人様

「100年後の街つくり」をしよう 株式会社NENGO

『100年後の街つくり』を理念としてリノベーションやコーポラティブハウス事業、綱島再開発のグランドデザインなど幅広く事業展開をしている株式会社NENGO。『100年後の街つくり』にコミットしたプロジェクト事例、社内の体制や雰囲気について、不動産統括マネージャーの和泉様にお話を伺ってきました。

(取材日:2017年4月7日、インタビュアー:田中 美菜子)

世のため人のため

──『街つくり』を重要視されていると思うのですが、溝の口に展開されているのにも理由があるんでしょうか

和泉氏:代表の地元だからというのもあるんですが、最初にこの街の歴史的な文脈に基づいてつくらせてもらったものの反響で広がっていったからです。
 代表は元々ホテルに従事していたので、ホスピタリティを重視しています。人生で一番大きな買い物である家を、顧客重視ではなく売上重視で売る—そんな不動産業界のブラックボックスにメスをいれたい、世のため人のためになりたいという思いが会社の成り立ちです。

街の気候・風土・歴史・文化に基づいた家つくり

──NENGOさんの『その街らしさ』のこだわりとはどんなものがあるんでしょうか

和泉氏:僕らのミッションにもある『気候・風土・歴史・文化』の視点から街を切り取ります。
 例えば、以前行なった大山街道(現在の国道246号)のプロジェクトについてお話します。大山街道はかつては多くの文化人が集まっていた文化的な街であり、江戸時代には赤坂から大山までを繋ぐ物資の交易の場であったという歴史もある場所です。しかし、今では1日1万台の自動車が通過するだけの人が通り過ぎる街になってしまっています。僕らは大山街道のかつての『らしさ』を生かしたいと考えました。
 そこで、依頼主の相続がされるだろう30年後にこの場所がどうなってほしいかを考え、人が立ち止まるように1階にイタリアンの入る木造の3階建てを竣工しました。今では近くの保育園のお母さん方の憩いの場であり、地域活性化のマルシェなども行なっています。

──それだけ綿密に詰めるとやりがいが大きそうですね。

和泉氏:そうですね。こちらのやりがいはもちろん、これだけ丁寧なつくり方をすると所有者のものすごいやりがいになっていくし、愛着も強く抱いてくれる。
 何よりも、奇抜とかじゃなくて『その街らしさ』に裏づけされた街に馴染むものだから、街の人たちが街の一部として強く受け入れてくれる。それを見て所有者はさらによかったなと思ってくれますね。

──顧客と衝突することはないんでしょうか。NENGOさんのミッションと顧客の希望がマッチしないことはありませんか?

和泉氏:ないですね。お客さんは自分の人生とか哲学とかをしっかり持っている人が多いので『○○テイストでリノベーション』等のオーダーはありません。
 その人を体内に取り込んでリノベーションをするために、例えばレジュメを20枚書いてもらうんです。どんな癖がある?生活リズムは?そんな細やかなことを取り込んで、そこまでしてもの創りをするのでもう共犯みたいな存在です(笑)
 僕らのコンサルティングは言われたことをやるのではなく潜在を顕在化するんです。だから『いい意味で期待を裏切った』なんて言われたこともあります。

自分のポートフォリオを多く展開できる

──幅広いキャリアパスはNENGOさんの特徴の1つですね。

和泉氏:ポーターズペイントなどの色、家、街つくり、宿…もはや暮らしの範疇を超えてきてしまうくらい広い事業展開をしています。人は自分の中のポートフォリオをいっぱい展開した方が成長できます。それができることがNENGOの一番の魅力です。

──実際に入社した後はどのような研修があるんでしょう

和泉氏:売買仲介経験がある方の場合はレクチャーを数回行います。現場でクラックや修繕状態に関する視点を学んでもらいます。
 それから、僕らの仕事はコンサルティングの意味合いがかなり強いので、潜在しているニーズをどう顕在化させるのかのレクチャーですね。その後、ロープレなども行ないます。

──社内の環境について教えてください。

和泉氏:いろんな人とコミュニケーションをとることを重要視しているので、事務職以外はデスクを固定にしておらず、自由に座ることができます。
 また、『効率化』を徹底的に意識しています。お客様にコンサルティングするときは根っこで話し合う必要があります。だから、他の業務は効率化してなるべくお客様と話すことに時間を割くようにしています。

評価は理念にコミットできているかどうか

──社内はとても活発そうですね。最後に人事評価について教えてください

和泉氏:職階級の評価とプロジェクト評価があります。  職階級は細かく分かれていて、それに到達するためにはどうすればよいか、それが達成できたかを年に4回行なっています。マネージャー陣は売上や数字を持ちますが、スタッフはミッションをきちんと遂行できているかなどですね。
 プロジェクト評価においても、売上に関する評価はマネージャー陣のみです。こちらもスタッフはプロジェクトにおいて報連相ができていたか、業務を改善していけたかなど定性的な評価です。

企業プロフィール

株式会社NENGO

株式会社NENGO企業HP

設立1983年。『100年後の街つくり』ミッションに掲げるコンサルティング会社。リノベーション事業、コーポラティブハウス事業、PORTER’S PAINTS事業など様々な事業を展開。