こんにちは、不動産キャリア事務局です。
例えば飲食業と言っても、フランス料理であったり、焼き鳥屋さんであったり様々なお店が存在しています。
もっといえば、店内で飲食できる店舗なのか、テイクアウト専門店なのか。
同じように、不動産業にも様々なポジションや業種が存在しています。
今回は、不動産業界の主な業種と仕事内容、さらには気になる年収事情までを徹底解説いたします。
不動産業界への転身をお考えの方はもちろん、不動産業界に既に従事している方も必見の内容です。
ぜひ最後までお読みください。
目次
不動産業界の事業規模について
不動産業界は、日本を支える主要な産業であるということが言えます。
事実、公益財団法人不動産流通推進センターが発行している2021年版の不動産業統計集によれば、不動産業に従事している法人数は増加の一途を辿っています。
平成30年段階で不動産業に従事する法人数は337,934社あるとされています。
この数値を全産業のうち不動産業が占める割合で表すと12.0%です。
9つの会社が存在しているとき、1社は不動産会社という計算になります。
なんだか、不動産業界の底知れぬ勢いを感じますよね。
出典:公益財団法人不動産流通推進センター 2021年版 不動産業統計集より抜粋
不動産業界の事業分類について
不動産には様々な職種が存在しています。
このコラムでは、上記不動産業統計集に準じて4つに分類して解説いたします。
なお、不動産流通は馴染みのある言葉ではないため、不動産仲介という言葉に改変しています。
さっそく4つの不動産業種を確認していきましょう。
不動産の定番 不動産仲介
不動産屋のイメージそのままの、不動産仲介営業です。
不動産仲介営業には、2つの種類が存在しています。
- 1つ目は、お部屋を借りるときに行く不動産屋、賃貸仲介です。
- 2つ目は、家やマンションを買うときに行く不動産屋、売買仲介です。
賃貸仲介営業の仕事内容
賃貸仲介営業は、賃貸物件を所有している家主さんと、お部屋を借りたい方とをマッチングするお仕事です。
ゴリゴリの営業をイメージするかもしれませんが、その実態はインターネットからの反響営業がメインです。
賃貸仲介営業担当者は反響を取得するためにSUUMOやHome’s、at homeといったポータルサイトへ空室である物件情報を収集し、掲載登録作業を行います。
現地での写真撮影を行い、物件のアピールコメントを記載して、ポータルサイトに物件を登録して反響を待つのです。
営業ですので売上は求められますが、一般の営業職のように飛び込みやテレアポのような能動的な営業活動はほとんどありません。
むしろ、写真撮影の技術やキャッチコメントの良否など、マーケティング力が問われる業態です。
反響を獲得したらお客様にコンタクトをとり、商談に結び付けます。
お客様に対して要望をヒアリングしてニーズを汲み取り、物件提案を行い、実際に物件をご確認いただき、双方の条件が合致すれば晴れて契約、といった流れです。
このとおり、営業力が問われないわけではありませんが、マーケティング能力やコミュニケーション能力が必要な業種といえるでしょう。
売買仲介営業の仕事内容
売買仲介営業は、保有している自宅やマンションなどの不動産を売りたい人と、不動産を購入したい人とをマッチングさせることを生業としています。
賃貸仲介とは異なり、1ヶ月に10件や20件と成約することはまずあり得ません、多くても2〜3件程度が一般的な成約件数になるでしょう。
つまり、1人のお客様に対して一生に一度あるかないかの高額な買い物のお手伝いをするという極めて緊張感の高い仕事が、売買仲介業の醍醐味といえます。
売買仲介営業の仕事は主に2つに分けることができます。
- 1つ目は、売りたい物件をお持ちの売主さんを集めること。
- 2つ目は、売主さんから売却を依頼された不動産の売却活動です。
売りたい物件の収集方法はいくつかありますが、最近は売却査定サイトからの集客といったインターネットが大きなウェイトを占めるようになってきました。
不動産を売るなんて人生にそうそうあるものではありません。
そのため、売りたい人も慎重になり、複数社に依頼することが一般的です。
説明するまでもありませんが、売買仲介営業のポイントは、売りたい人との信頼関係をどのように築き、いかに売却物件をコンスタントに仕入れることができるか、になります。
売却物件を仕入れることができれば、次は売却活動です。
売却の目的や状況にもよりますが、やはりいかに早く高く売却するかが腕の見せどころといえるでしょう。
売却の方法はインターネットで買いたい人を広く募ることが主流ですが、業者間でやりとりすることもよくあります。
不動産業界では人脈形成がモノを言います。
賃貸仲介ではマーケティング力とコミュニケーションスキルが問われますが、売買仲介では人脈形成力と数千万円の資産をお預かりするための誠実さが求められるでしょう。
家主さん 不動産賃貸業
不動産を賃貸して、その家賃収入を生活の糧とする。
それが不動産賃貸業です。
家主業は不労所得の代名詞のようなところがあり、個人的に憧れを持つ方がおおいのではないでしょうか。
しかし、不動産賃貸業は肉体労働こそありませんが、結構頭を使う職業なのです。
なぜなら、不動産賃貸業は収入の上限が決まっているからです。
今月は普段からお部屋を使わせてくれる家主さんのことを思って、5,000円多く家賃を払った経験がある人なんて、おそらくいないでしょう。
契約した家賃以上のお金が入ってくることなど、不動産賃貸業ではありえません。
不動産賃貸業目線で表現すると、空室が長期化すればするほど、家主が損をするビジネスなのです。
空室を長期化させず、かつ古くなる物件をリニューアルし家賃収入を維持させなければならない。
そのためには、市場のトレンドを日々勉強しなければなりませんし、賃貸仲介の営業担当者とのコミュニケーションも欠かすことはできません。
さらには、管理会社やプロパティマネージャーとの連携も必要になってきます。
不動産賃貸業は、日々の勉強と不動産関係者との連携が求められる、想像以上にシビアな業態といえるでしょう。
入居者と家主を繋ぐ 不動産管理業
不動産賃貸業とはいえ、日々ご入居されている方からのリクエストに対応しているかというと、そんなことはありません。
また、分譲マンションの管理組合の運営をお手伝いしたり、オフィスビルや大きなホールなどの維持管理となれば、もはや不動産の持ち主がそんなことできるはずはありません。
そこで登場するのが、不動産の管理運営のプロフェッショナル、不動産管理業です。
不動産の管理には様々な種類があります。
- 賃貸物件の入居者や家主さんの対応を行う、賃貸管理会社。
- 分譲マンションの組合運営のお手伝いを行う、分譲マンション専門の管理会社。
- 不動産のメンテナンスを行う、建物管理会社。
不動産を活用し運営するには、様々な知識が必要です。
さらに、建物の維持管理では、法律で必ず点検しなければならないことなども定められています。
また、法的な規制やルールは原則として厳しくなることこそあれ、緩和されることは極めて稀なことです。
法的な基準をクリアしていない不動産は、入居者や利用者の安全を守ることができないほか、美観や衛生面にも不安が残るため、結果として市場から淘汰されることになります。
不動産の価値を維持したり向上させたりと知識と分析力が問われるのが、この不動産管理業です。
不動産業界のスター的存在 不動産開発業
どんな建物も、誰かが建築しなければ世の中に存在していません。
大きな建物を建築するための広大な土地も、誰かがとりまとめて買い上げるなどしなければ、いつまで経っても街が発展することはないでしょう。
このように不動産の形を変えたり、新しく作ったりして街を作る仕事。
これが不動産開発業です。
土地を購入して、新しく不動産を建築して街を開発する人たちのことを「デベロッパー」と呼びます。
なお、これによく似た役割を表す言葉で「ゼネコン」という言い方があります。
デベロッパーは不動産を建築して街を開発する「デザイナー」であるのに対して、そのデザインをもとに実際に不動産を建築する役割が「ゼネコン」です。
また、不動産を建築する集団の中でも、戸建てを建築することに特化し、生業としている会社のことを「ハウスメーカー」と呼びます。
戸建てに特化せず、街を開発するという大規模プロジェクトを行うデベロッパーは、まさに不動産業界でもスター的な存在といえるでしょう。
不動産業界の主な業種の年収目安
では、今回ご紹介した不動産業界の主な業種で、年収の目安はいくらくらいなのでしょうか。
会社の事業規模や地方によっても異なりますので、あくまでも目安としてお読みください。
不動産賃貸仲介業
不動産賃貸仲介業の収入構成は、基本給に歩合給が加算されることが一般的です。
以前は歩合給の割合が大きかったこともありますが、最近は業界全体として基本給が上がり、歩合給の割合が少なくなってきているように感じられます。
目安として、売上の10%前後が歩合として加算されるとお考え下さい。
例えば、毎月100万円の売上があったとき、歩合として毎月約10万円程度が入ってくる、そんなイメージです。
上記に付随して、賃貸借契約締結時に付帯商品を販売したりすると、さらに追加で歩合が支給されることもあります。
一般的な賃貸仲介業のプレイヤーであれば年収400万円から500万円程度は十分に可能でしょう。
もちろん、住宅用のトッププレイヤーであれば600万円以上を目指すことも可能です。
不動産売買仲介業
不動産売買仲介業でも、基本給と歩合給の収入構成が主流です。
売上歩合においても約10%前後は歩合で還元されるケースが多いと考えられます。
売買仲介では月間で200万円から300万円を売り上げることができれば、もう一人前です。
年間で3,000万円を達成できれば歩合で300万円が還元されますので、年収は600万円以上はほぼ約束されることでしょう。
売買仲介業に特化した会社では、月額給与に反映されることもあれば、ボーナスで還元するなど、様々な歩合支給方法が存在しています。
自分にあった給与形態を見つけることで、モチベーションの維持にも繋がるのではないでしょうか。
不動産賃貸業
不動産賃貸業では、歩合が入るということはあまり期待しないほうが良いかもしれません。
事業の収益構造上、突発的に会社の収益が上がることが考えにくいからです。
また、不動産賃貸業では、「何を貸しているか」によって大きく収益が異なるという点も特徴的です。
住宅をメインに貸し付けている会社では、入れ替わりも激しい半面、空室リスクが少ないというメリットも存在しています。
一方、大規模なオフィスビルや物流倉庫を貸し付けている会社では、入れ替わりがほとんどなく安定している半面、空室になったときの空室損が長期化するなどのリスクが存在しています。
不動産賃貸業の年収は決して安いものではありませんが、爆発的に高くならないという点が特徴的です。
安定して不動産業に従事したいという方にはおススメですね。
年収目安では、概ね30歳前後で400万円程度を目安にするとよいでしょう。
一方、長期勤務することで安定的に上昇する傾向にあるため、この金額だけみて「なんだか安くて夢がないな」と思われるかどうかは、安定志向か上昇志向かによります。
不動産管理業
不動産管理業も、不動産賃貸業とほぼ同様で、安定していることが特徴と考えられます。
会社によっては、大規模な工事受注などで歩合が入る会社も存在しており、安定しながらもチャレンジしたい人にはおススメの不動産業種です。
年収の目安も概ね30歳前後で約400万円程度になりますが、こちらも安定して上がっていく傾向にあります。
さらに、会社によっては上述のとおり歩合が発生することもあるため、モチベーションが途切れるということもないでしょう。
不動産開発業
デベロッパーといっても、様々な職種の方々が就業されています。
実際の建築業務で施工管理する方もいらっしゃれば、デザイナーよろしく街を開発するプランナーもいるため、その年収は様々といえるでしょう。
しかし、総じていえることは、デベロッパーの給料は固定平均値で約550万円前後と言われており、業界全体からみても、日本の職種からみても高い方であることがわかります。
昨今は建築の人手不足もありますので、建築現場周りの給料が上昇傾向にあることも特徴的ですね。
デザイナーよりも現場の施工管理者のほうが給料が高く募集されていることもよくあります。
高い給料である反面、仕事は非常に激務になることが予想されます。
しかし、不動産を通じて街を開発するという経験は何物にも代えがたいものでしょう。
募集されている求人があれば、是非チャレンジしてみてください。
不動産業界に転職して年収アップを目指そう
再三コラムでお話していますが、不動産業界には様々な職種が存在しており、自分の性格や臨むライフプランにあった職種を選択することが可能です。
ただひたすら営業活動をして稼ぎたい、という人から、安定した会社で就業したいという方まで、どのような方も満足できる業種と会社が揃っています。
また、不動産業界のある業種で得られることのできる経験は、異業界であっても不動産業界であっても、活かすことのできる経験ばかりです。
是非、不動産業界への転職を通じて、理想の年収とライフスタイルを実現しましょう。
なお、不動産キャリアでは不動産業界に特化したエージェントが、転職のお手伝いをしています。
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