こんにちは、不動産キャリア事務局です。
宅建の資格を活かせるのは不動産業界だけだと思っていませんか?
実は、他の業界でも活躍できる宅建士。
就職・転職にも有利と言われる宅建の資格ですが、その根拠はどこにあるのかなど解説していきます!
目次
不動産業界は宅建の資格が必須?
宅建の資格を大いに活かせるのが不動産業界。
不動産の資格と言えば、最初に思い浮かぶのが宅地建物取引士(以下宅建士)と言っても過言ではありません。
不動産業界では必須な資格なので、このようなイメージが根強いのでしょうか?
宅建士の設置義務がある
不動産業界と言えば宅建というイメージが強い理由は、不動産業を営む際に5人に1人は宅建の資格を保有していないといけないルールがあるからです。
退職などによって宅建士が規定の人数より満たなくなった場合は、2週間以内に人員を補充しなければなりません。
宅建が必須というわけではありませんが、企業側としてはこうしたリスクを軽減しておきたいと考えるため、宅建の資格を保有していれば採用に有利な場合もあります。
宅建士の独占業務がある
不動産取引の成立には契約行為は欠かせません。
この契約行為には、
- 重要事項の説明
- 重要事項説明書の記名捺印
- 契約内容書面の記名捺印
といった宅建士にしかできないこれらの業務があります。
大金が動く不動産業界では、トラブルを防ぐためにも重要事項の説明が義務付けられています。
就職・転職先によって「宅建必須」と「宅建士優遇」に分かれる
営業職と言っても賃貸仲介・売買仲介などのように、不動産業界では様々な職種が存在します。
職種が違うだけで業務も異なるため、同じ営業職なのに賃貸仲介では「宅建士優遇」とされ、売買仲介では「宅建必須」とされる場合があります。
もちろん、企業によっては「宅建士優遇」な売買仲介もありますので、応募する際に確認しておきましょう。
入社前に資格を取得しておくと有利
不動産適正取引推進機構が公開した令和5年度の宅建の合格率は17.2%。
難易度の高い資格なので、十分な勉強時間を確保しておく必要があります。
入社してから宅建の資格取得を目指すこともできますが、仕事も覚えつつ宅建も勉強するとなると、プライベートの時間が減ってしまうでしょう。
学生時代や離職中など自由に時間を使える時に、集中的に宅建の勉強をしておくと上手く時間を使うことができます。
また、宅建の資格は、大手不動産をはじめ様々な企業で就職・転職に有利なので入社前に取得できるといいでしょう。
不動産業界で活躍できる職種とは
営業職だけでも10個以上あるほど、様々な職種が存在する不動産業界。
宅建を取得していると、有利になる職種・不利になる職種とは一体なんでしょうか?
宅建がなくても採用されやすい職種
宅建を取得していなくても比較的問題なく就職・転職できる職種はいくつかありますが、その代表例が営業職です。
もちろん、契約に関係するので宅建を取得していて損はありません。
しかし、企業の希望として「宅建を持っているよりもどれだけ営業ができるのか?」と言った人物を重要視するケースでは、必ずしも資格が必須とはなりません。
不動産業界が未経験且つ宅建の資格を取得していない場合でも、これまでの営業実績があれば就職・転職できる可能性は十分にあります。
- 賃貸仲介
- 売買仲介(特にベンチャー系)
- 投資販売営業
- 買取再販
- 住宅・戸建販売
- 不動産管理(プロパティマネージャー)
※若手で勢いのある人材の採用を希望している企業であることが多い
宅建がないと不利な職種(書類選考が通過しにくい)
- 大手売買仲介(大手の場合は若手でも資格必須あり)
- 大手仕入れ、開発系
- 宅建事務、契約事務
- アセットマネージャー
※営業経験必須、年齢が40歳ぐらいまでを希望している企業が多い
大金が動く売買物件の取り扱いや専門知識が必要となってくるので、宅建の資格がないと不利になってしまいます。
女性におすすめの再就職先
国税庁「民間給与実態統計」を見ると、他の職種に比べて女性宅建士の勤続年数が長い事が分かります。
育児を終え、職場復帰する際にも有利な宅建。
再就職をするのであれば、宅建事務がおすすめです。
職場に復帰して早々、フルタイムで勤務するのは体力的にも難しい、なんてこともあるでしょう。
正社員はもちろん、アルバイト・パートとしても働けるため、自分の体力と相談して働き方を選べて、ワークライフバランスを重視できます。
また、営業職とは異なりノルマを追うことがないのでストレスも感じにくいです。
ノルマがあると、達成するために働く時間が増えプライベートと両立することが難しくなるなんてこともしばしば。
事務作業が中心となる宅建事務であれば、ノルマに追われることもありません。
不動産業界以外で活躍できる業界とは
宅建の資格を活かせるのは、不動産取引のある不動産業界ということには間違いありません。
しかし、不動産業界以外にも不動産取引はあるのです。
では実際に、不動産業界以外で活躍できる業界を見ていきましょう。
金融業界
不動産業界の次に活躍できる業界が金融業界と言われています。
住宅や土地といった不動産売買は、金額も高いことから不動産を担保にして融資をすることが多く、不動産関連の知識が求められる業界です。
金融業界と言っても、
- 銀行
- 保険会社
- クレジットカード会社
- 証券会社
など様々な業種があります。
小売業界
小売業界では新たに店舗を展開する場合、どの立地に置くかを検討します。
置いた立地によって顧客の利用数や認知度など、会社の経営に大きく影響を及ぼすため重要な判断が必要です。
立地の条件や物件管理など重要な判断をするために、宅建士の持つ不動産関連の知識が役立ちます。
宅建の知識が大いに活かせるため、宅建士が重宝される業界です。
建設業界
建築士がいれば家は建てられますが、建てた家を売ったり貸したりするためには宅建士がいなければできません。
自社で建設から賃貸・売買まで不動産取引ができるように、宅建士を雇用する企業も多いです。
保険業界
保険の契約をする際に、住宅ローンの有無が大きく関係する保険業界。
保険の契約でも大いに宅建士の知識が役立ちます。
一般企業
宅建の試験範囲に、民法や税法といった一般企業でも通用する知識があります。
宅建の資格は、決して合格率が高くないことを企業側も把握しているため、目標に向かって勉強できる人材であると評価されます。
独立
不動産会社で経験を積んだら、さらに年収アップのため独立開業を検討する人もいます。
しかし、独立開業するためには、宅建の資格と宅地建物取引業免許の取得が必要です。
取引業免許は申請手続きが必要ですが、この申請には事務所の開設が必須条件となっています。
宅建士に向いているのはどんな人?
不動産業に興味がある人
不動産業界と一番相性の良い宅建士。
そのため、不動産業界に興味のある人が最も向いていると言えるでしょう。
興味のないことでも勉強して知識をつけることができる人もいますが、やっぱり興味のあることを勉強する方がどんどん知識がつきますよね。
土日祝に勤務できる人
不動産取引では、個人の方を相手にすることが多いです。
個人の方が休日を利用して不動産会社で契約を交わすため、これに対応できるように土日祝に働けるといいでしょう。
仕事をきっちりこなす人
大金が動く不動産取引なので、細かく確認しながら業務を進めていく必要があります。
特に、宅建士の独占業務である重要事項の説明では、内容が多岐にわたる上細かく記載されています。
トラブルを避けるためにも、細かい業務ができる人が向いていると言えるでしょう。
冷静で慎重な人
再三お伝えしている通り、不動産取引では何千万、何億といった大金が動きます。
このような高額な不動産取引にも動じないメンタルが求められます。
契約書も結ぶ必要があり失敗は許されないため、冷静で慎重に対応できる能力が重要です。
コミュニケーション能力が高い人
営業や立地の調査、契約を交わす時など人と会話するシーンがかなり多い職種。
特に個人の方は専門知識がないため、分かりやすく説明する必要があります。
また、営業担当者との相性も重要です。
大金が動く不動産取引では、対応が良くない営業担当に任せたくないというのがホンネなのでどんな人とでもコミュニケーションができる能力が望ましいです。
目標を持ち向上心がある人
不動産営業を行う宅建士は、売り上げ目標が設定されていることがほとんどです。
目標を達成するためにどのような営業をすべきか、不動産取引をどう成立させるかなど、常に目標に向かって行動することが宅建士として活躍できることでしょう。
宅建とダブルライセンスがおすすめな資格4選
宅建は、他の資格と一部試験内容が被るところがあります。
宅建の資格の他に、別の資格を取得するダブルライセンスもおすすめです。
資格をたくさん取得していると年収アップも狙えるのは嬉しいですよね。
FP
FP(ファイナンシャルプランナー)は、金融業界でよく耳にする資格ですが、宅建とも相性が良い資格です。
FPの能力を示す資格はいくつかあり、そのうち国家資格もあれば民間資格もありますが、国家資格「FP技能士」がおすすめです。
資産運用を目的として不動産を購入した個人に対して、適切なアドバイスができるようになります。
マンション管理士
マンションで起こる住民同士のトラブルに対して、対応・解決していくマンション管理のアドバイザー。
国家資格でありマンション管理にも強い宅建士として、重宝される存在になること間違いなしです。
管理業務主任者
マンション管理士同様、マンション管理に関わる国家資格ですが、置かれる立場が異なります。
住民による管理組合側に立つ
管理会社側に立つ
こちらも独占業務があり、管理組合へ重要事項の説明や事務報告を行います。
行政書士
官公署に提出する様々な書類を代行して作成する、書類作成のプロである国家資格「行政書士」。
行政書士にも官公署に提出する書類および事実証明・権利義務に関する書類の作成代理という独占業務があります。
- 飲食店営業許可申請書
- NPO法人許可申請書
などの許認可申請に関する書類の作成代行を行うこともできます。
宅建士とダブルライセンスともなれば、不動産に強い行政書士として活躍できることでしょう。
様々な業界で活躍できる宅建士
宅建士の就職先は不動産業界だけでなく、金融業界や建築業界など様々な業界で活躍できることが分かりました。
未経験でも宅建の資格を保有しているだけで、就職・転職に有利になります。
相性の良い資格とダブルライセンスを実現させることで、よりキャリアアップを狙えること間違いありません。