こんにちは、不動産キャリア事務局です。
宅建を活かして転職したい、とお考えの方に向けて「有利になる理由」や「未経験でも転職できるか」などを解説していきます。
知名度の高い資格ですが、国家資格だけあって合格率はかなり低く難易度の高い「宅建」。
活躍できる業界が多くキャリアアップも狙える宅建の資格を活かして、転職を成功させましょう!
目次
宅建とは
国家資格の宅地建物取引士を略して「宅建」または「宅建士」と呼びます。
全国から毎年20万人以上の受験者がいる非常に人気の資格です。
不動産取引には宅建の資格が必要不可欠なため、最も資格を活かせるのが不動産業界であり、企業としても資格取得を応援する制度を取り入れていることもしばしば。
試験について
受験資格 | なし、誰でも受験可能 |
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受験地 | 原則在住する都道府県 |
試験日 | 年1回、10月の第三水曜日 |
試験時間 | 2時間(13時~15時) |
受験料 | 8,200円 | 試験形式 | 四肢択一のマークシート方式のみ | 合格基準点 | 相対評価方式(合格点は決められていないが、目安35点前後) |
受験の申し込みは、郵送またはインターネットにて行います。
宅建の合格率や難易度は高い?
不動産適正取引推進機構が公開した2023年度の合格率は17.2%でした。
男女別で見るとこのような結果です。
男性 | 16.5% |
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女性 | 18.3% |
「宅建業法」が20問、「民法等の科目」が14問、「法令上の制限」が8問、「その他関連知識」が8問、の計50問で構成されています。
合格点は設けられておらず、毎年その時の合格基準点によって決まるので一概には言えないですが、昨年の合格率も17%なのでなかなかハードルの高い資格と言えるでしょう。
宅建士になるまでの流れ
実は、資格に合格しただけではまだ宅建士として働けません!
- 宅建試験の合格
- 実務経験2年以上もしくは宅建登録実務講習の修了
- 欠格事由に該当しないこと
- 宅建士の登録申請
- 宅地建物取引士証の交付
これらすべての手順が完了してようやく宅建士として働くことができます。
宅建が転職に有利な理由とは
難易度の高い国家資格なので、宅建はどの業界においても転職に有利な資格です。
希少価値の高い国家資格であることや宅建士の独占業務など、宅建の資格が有利な理由を解説していきます。
宅建士には独占業務がある
- 重要事項の説明
- 重要事項説明書へ記名捺印
- 契約内容書面へ記名捺印
これらは宅建士にしかできない独占業務であり、不動産業を営む際は宅建士がいてはじめて不動産売買や賃貸などの不動産取引ができるようになります。
不動産業では宅建士の設置義務がある
不動産業を営む際は、担当者の5人に1人は宅建士でないといけないという設置義務も存在します。
急な退職などにより必要な宅建士の数が足りなくなった場合は、2週間以内に宅建士を採用しなければなりません。
事業拡大などの場合にも宅建士は必要とされる存在のため、応募できる求人の幅も広がります。
必要とされる業界・仕事が多い
不動産業界では、宅建士の独占業務・設置義務があるので必要不可欠な存在です。
宅建の資格が最も活かせるのは不動産業界ですが、それ以外にも必要とされる業界は多くあります。
- 銀行や保険会社などの金融業界
- 住宅メーカーなどの建築業界
- 小売業界
- 各種企業の資産管理部
2023年度の合格者データを見ても「不動産業35.2%、金融業8.2%、建設業8.8%、他業種25%」と、不動産業界だけでなく様々な業界から受験者がいて合格していることが分かります。
不動産取引がある金融・建築業界や新しい店舗を開設することもある小売業など、宅建の知識や能力は不動産業界以外にも需要があるんです。
努力が評価される
「宅建の試験勉強には300時間、合格率は約15%」となかなかハードルの高い資格ということは、多くの面接官が知っていることです。
履歴書に宅建の資格を記載することは、宅建の資格を保有していること以外に目標を持ち努力できる人というアピールにもつながります。
未経験であれば尚更評価ポイントとなるので、他の応募者との差別化も図れることでしょう。
性別問わず働ける
宅建の資格を保有していることで、男女問わず活躍できます。
国税庁「民間給与実態統計」によると、他の職種より女性の宅建士は勤続年数が3.6年長い傾向にあることが分かっています。
- 宅建事務などの事務職として正社員で働ける
- アルバイト・パートとしても仕事がある
こうした理由から女性でも働きやすい環境が整っていると言えるでしょう。
宅建があれば未経験でも転職できる?
実際に、宅建の資格を取得して幅を広げて転職活動を行う方も多くいるくらいなので、転職可能です。
不動産キャリアが取り扱う求人にも、未経験でも応募できる求人が多数あります。
自分が今まで培ってきた経験が活かせる仕事や自身の性格なども考慮して、未経験でも力を発揮できそうな職種を探してみるといいでしょう。
コミュニケーション能力が高い人であれば営業職、企画・開発の経験がある人は企画職を検討してみるとより転職を実現させることができるかもしれませんね!
また、未経験の場合だと年代が上がっていくごとに求められることも増えてきます。
20代未経験の宅建士であれば、資格を保有していることが大きく評価され比較的転職しやすい傾向にあります。
30代未経験の宅建士だと、営業経験があれば転職しやすくなるでしょう。
難易度の高い宅建は、取得するまでに時間がかかってしまうものなので、30代で宅建士として働き始める人も少なくありません。
40代未経験の宅建士は、営業経験だけでなく営業実績も求められることが多いです。
宅建合格者が全体の20%を占めているほど、40代でも今から資格を取得しても遅くありません。
しかし、宅建士に営業スキルを求めている企業も多いので、営業実績もアピールできるといいでしょう。
宅建士の平均年収
企業勤め、年代、性別、エリアなど働く条件・環境によって年収が変わってくる宅建士。
国税庁「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると、日本の平均年収が433万円です。
ユーキャンの調査では、宅建士の平均年収は470~600万円とされているので、他の業界と比べてもその平均年収は高水準です。
また、宅建の資格手当として3万円ほど支給されるケースも多いです。
会社によっては5万円を支給されるケースもあり、宅建士であれば役職も狙えるチャンスがあります。
そうなると、加算される金額が増えますので、宅建士であることは高水準な年収であると言えるでしょう。
宅建を活かして転職を成功させるコツ
宅建の資格があれば、応募できる求人の幅も広がります。
資格を活かして転職できるコツをご紹介します。
未経験は大手企業より中小企業を狙う
宅建の資格を取得したばかりで宅建士として働いたことのない人は、大手企業より中小企業への転職を検討しましょう。
大手企業の場合だと、宅建士の人数がギリギリというケースは少なく、どちらかと言えば事業拡大などで宅建士の補充をします。
中小企業であれば、常に宅建士を求める企業も多く、倍率も低いため採用されやすい傾向にあります。
中小企業で営業スキルなどの経験を積んでから、大手企業への転職を再度検討する方がより現実的です。
ダブルライセンス!他の資格も取得する
宅建の試験は、
- FP(ファイナンシャルプランナー)
- 不動産鑑定士
- 不動産投資
- 不動産仲介業務の主任
など、一部これらの試験と被る内容があります。
ダブルライセンス、トリプルライセンスともなると年収アップも見込めるので、知識を忘れてしまう前に気になる資格にも挑戦してみることもおすすめです。
必ず転職前に勤務形態を確認しましょう
どの業界でも重宝される宅建士ですが、働く条件や環境によっては過酷な場合もあるからです。
不動産取引が成立しないと売り上げにならず圧をかけられることもあるようで、プレッシャーに耐え切れず退職に至る、なんてことも起こり得ます。
その代わり成果を出せば、その分インセンティブとして支給されるのでやりがいにつながります。
資格手当やインセンティブといった給与から、企業の評判などを事前にチェックしておくことで自分に合った働き方ができるかどうか判断できることでしょう。
転職エージェントに相談して、企業の実情を把握しておくこともおすすめです。
宅建を活かしてより良い転職先を見つけよう
転職に有利とされる宅建の資格について、詳しく解説してきました。
宅建士の独占業務や不動産業における宅建士の設置義務など、不動産業界をはじめ他の業界でも重宝される宅建士。
未経験でも宅建の資格を活かして転職することはできるので、是非挑戦してみてくださいね!