不動産業界の仕事を知ろう

マンション管理士は仕事がなくて業務もきつい?実情を解説

こんにちは、不動産キャリア事務局です。

マンションにはさまざまな年齢や性別、生活スタイルの異なる住人がいます。
快適かつ安全に生活できるのは、マンションの管理が行き届いている証拠です。

では、マンションの管理業務は具体的にどのような内容なのか、掃除だけ行えばいいのかなど、気になっている人も多いのではないでしょうか?

本記事では「マンション管理士」の仕事内容や実情、やりがいについて詳しく解説します。

マンション管理士の仕事が気になっている人は、ぜひ参考にしてください。

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マンション管理士とはどんな仕事?

「マンション管理士」と聞くと、言葉の通りマンションを管理する仕事だと思う人が多いです。

マンション管理人と呼ばれるポジションもあり、言葉は似ていますがマンション管理士とマンションの管理人の仕事内容には違いがあります。

マンション管理士は、マンションの維持管理を専門とするコンサルタントのプロです。

マンションに関する専門知識を持ち、運営や管理全般について指導・助言できる人を指します。
マンション管理士になるには、合格率8%の国家試験に合格しなければなりません。

主な仕事は

  • マンション管理組合の運営やマンション管理の支援
  • 管理組合の管理者や、マンション区分所有者の相談対応
  • 運営や管理について助言や指導、援助

です。

分譲マンションの増加、高経年マンションの増加、マンション入居者の高齢化、マンション管理業界におけるトラブル防止の理由から、マンション管理人が必要になります。

マンションの管理人は、設備点検等を行い、マンションの住人が快適に生活できる環境を維持する仕事です。
資格は特に必要ありません。

主な仕事内容は

  • 設備の点検(火災報知器・消火器の設備)
  • セキュリティーチェック
  • 公共スペースの修繕等

です。

その他にも、階段や公共スペースの清掃・修繕、セキュリティーのチェック、窓口や電話対応など、仕事内容はさまざまです。

大きなマンションになるほど管理体制は厳しく徹底されていますが、管理業務自体は未経験でもできます。
力仕事が少ないため女性にも人気の職業です。

女性向け、女性専用マンションが増加傾向にあるため、女性管理人の需要も高まっています。

マンション管理士の仕事内容とは?

マンション管理士の仕事は大きく分けて4つあります。
それぞれの仕事内容を詳しく解説します。

マンション管理組合との連携

分譲マンションを購入した場合、マンション購入者は「管理組合」に参加する必要があります。

「管理組合」がマンションの管理を行いますが、参加者全員が組合運営や住宅のプロであるとは限りません。

管理組合と連携をとりながら、運営全般を支援するのがマンション管理士の主な仕事です。

また、管理組合の役員からの相談にも対応します。
具体的な相談内容は、会計処理方法や組織運営の方法(運営コストの削減等)です。

その他には

  • 一般相談業務(管理組合やマンションの区分所有者など)
  • 管理組合の理事会や総会など、運営計画の補助や助言、説明や質疑の代行

など、法律の知識や経験が浅い管理組合の人々のためにサポートをしています。

マンションの修繕工事

長年住んでいるとマンションは次第に劣化し、老朽化します。

外壁のひび割れや塗装の剥がれ、サビなどの経年劣化は避けられません。

住人の安全を脅かすリスクが出てくるため、その都度修繕をする必要があります。

修繕工事の計画の作成から修繕工事の際の金銭的な手続き、業者への依頼手続きなどはマンション管理士の仕事です。

住人同士のトラブルの仲介

マンションには年齢や性別、家族形態など生活スタイルが異なる住人が集まっているため、トラブルがつきものです。

騒音やゴミ出しのルール、共有スペースの使い方などトラブルの要因は幅広く、日常的に起こりうる問題ばかりです。

マンション管理士には、住人同士のトラブルを解決に導き、マンション運営をスムーズに行うことも求められます。

住人トラブルを軽率に扱うと、後々大きな問題に発展しかねません。
慎重かつ迅速丁寧な対応を行いましょう。

管理会社の監督業務

マンションにおける住環境を快適に保つことや住人の背活を安定させることを目的にマンション管理適正化法が2001年に成立しました。

しかし、法律を守らない管理会社が多かったため、管理会社を監督する役目としてマンション管理士が配置されました。

マンションの住人が不利な状況に陥らないよう、マンション管理士は公平な立場で管理会社の監督業務を行います。

マンション管理規約の作成・変更

マンションにはたくさんの人が住んでいるため、住人たちが快適に過ごせるように区分所有法という法律に基づいて、管理規約を作成・変更します。

管理規約は、マンションの住人が平等で快適に過ごすためのルールを決めたものです。

管理組合がマンションの運営を行う際に重要な内容として、ペット持ち込みや駐車場、駐輪場の利用マニュアルなどを規定しています。

管理規約の内容変更、もしくは新規追加するには、管理組合の総会で区分所有者の3/4以上の議決が必要です。

マンション管理士は管理規約の作成・変更をする際に、適切なアドバイスを求められたり、相談に応じることも重要な仕事の一つです。

マンション管理士の仕事の実情

憧れの職業でもあるマンション管理士ですが、「仕事がきつい」「仕事が少ない」などネガティブなイメージも多いです。

仕事がきついのは肉体的なものなのか、精神的なものなのか、仕事が少ないのは本当なのかなど、マンション管理士の実情を解説します。

マンション管理士の仕事がきつい理由

マンション管理士の仕事がきついと言われる一番の理由は、住人からの要望やクレームへの対応です。

マンション自体のクレームや要望、住人同士の揉め事に関する対応を行います。

住み込みで働いていると「隣の人が騒いでいるから注意してほしい」と言われ、勤務時間外でも対応しなければならないこともあります。

人と接することや揉め事の仲裁に入るのが苦手な人は、精神的に「きつい」と感じる可能性があります。

たくさんの住人が住んでいるため、想定外の要望やクレームが来ることを認識しておきましょう。

マンション管理士の仕事が少ない理由

マンション管理士は独立開業している例が少なく、仕事が少ない、資格を持っていても役に立たないなどの声も耳にします。

ネガティブなイメージの理由や実際の様子にギャップはあるのでしょうか?

マンション管理士を求める企業が少ない

マンション管理士の資格は、2001年にできたばかりの新しい資格です。

需要が少ない理由の一つとして、世間的に認知されていないことが挙げられます。

また、マンション管理士は自分たちの働きぶりをチェックする存在であるため、管理会社からマンション管理士の導入を進めることはほとんどありません。

マンション管理組合の中で「マンション管理士との契約の継続」が検討事案にあがれば、契約の継続を拒否されるケースもあると言われています。

しかし今後、マンション管理士の認知度が上昇すれば需要増加も期待できるでしょう。

また、マンション管理士の資格を持っていることで、マンション管理業や不動産会社の就職に有利になります。

独占業務がない

マンション管理士には独占業務がないため仕事が少なく、資格が役に立たないと言われています。

独占業務がある国家資格だと安定した需要が見込めますが、マンション管理士には独占業務がありません。

独占業務がなく、いわゆる名称独占資格である点が役に立たないと言われる要因となります。

マンション管理士の仕事のやりがいやメリットとは?

住人からの要望やクレームへの対応、管理会社からは疎まれるマンション管理士の仕事のやりがいとは、いったい何があるのでしょうか。

ここでは、マンション管理士の仕事のやりがいやメリットについて詳しく解説します。

住人との信頼関係が築ける

苦情が出るからこそ、課題を解決した際は住人から直接感謝の言葉をもらえます。

さまざまな問題を解決に導くと、住人から多くの信頼を得られるため、信頼関係の構築にも繋がります。

あらゆる人の立場に立って物事を考えて、課題を解決しようとチャレンジすることもやりがいの一つです。

幅広い業務を経験できる

マンション管理士の仕事は住人トラブルの解決、大規模修繕工事の計画・実行・助言、会計など業務内容は多岐に渡ります。

さまざまな分野の経験が積めるため、自身のキャリアアップに繋がります。

住人や業者とのやり取りを通してコミュニケーション能力も磨かれるでしょう。

年齢が高くても働ける

マンション管理士は仕事内容が多岐に渡るため、さまざまな人たちと関わります。

そのため、物事に柔軟に対応できるように社会人経験豊富な人が求められます。
もちろん、年齢が高い人でも問題なく働けます。

独立・開業のチャンスがある

マンション管理士として経験を積めば、独立や開業のチャンスがあります。

マンション管理士の資格だけでは独立後も安定した収入を得るのは難しく、行政書士や建築士、宅地建物取引士などの資格も併せて取得して独立するのが一般的です。

まとめ

マンション管理士はマンション管理専門のコンサルティングのプロで、国家試験に合格する必要があります。

2001年にできた新しい資格のため、認知度が低く仕事内容のイメージを持ちにくい人も多いでしょう。

「クレーム対応がきつそう」と、ネガティブなイメージも強いですが、トラブルを解決できると住人から直接感謝されるためやりがいも大きいです。

マンション管理士に興味がある人はぜひ参考にしてくださいね。

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この記事を書いた人
不動産キャリア事務局スタッフ
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