こんにちは、不動産キャリア事務局です。
不動産経理となると、経理職の専門知識以外にも不動産業界の知識も必要なのでは?と思う方もいることでしょう。
しかし、実は未経験でも応募できる求人は沢山あり、ブランクがあっても職場復帰できる特徴がある経理職は特に女性にも人気です。
そんな不動産経理は一体どんな仕事なのでしょうか。
目次
そもそも経理業務って何をするの?
まずは、会社のお金に関する業務を行う部署には「経理」と「財務」があります。
どちらも会社経営を支えていく重要なポジションですが、下記のような違いがあります。
現在のお金の流れを管理する仕事
業務例)伝票や請求書の作成、帳簿の記帳、税金関係の各種申告、財務諸表の作成
今後のお金の管理をする仕事
業務例)資金計画、資金調達など
不動産業界の経理とは?
次に不動産業界での経理について知っていきましょう。
賃貸、売買、仲介、管理など不動産業と言っても様々な事業があります。
不動産経理は業務形態により業務内容が異なるので、業務形態別の特徴をご紹介します。
賃貸
不動産賃貸業は、所有する不動産を貸すことで入居者から支払われる家賃が収入源となります。
家賃以外にも礼金や更新料なども重要な収入源です。
毎月支払われる家賃収入は定期的にまとまった収益を受け取ることができますが、不動産は固定資産として扱われるため減価償却を行う必要があります。
減価償却とは簡単に言うと、固定資産を耐用年数に応じて1年ずつ分割して経費計上することです。
資産は長期に渡って使われるモノであり、その価値は年々なくなっていくため資産を購入した全ての費用をその年に計上しないというルールが存在します。
※減価償却の対象となるモノは、「有形減価償却資産」「無形減価償却資産」「生物」に分かれます。
賃貸経営ではこの「減価償却費」が大きな割合を占めるため、不動産賃貸業の経理は減価償却の算出が重要になります。
建物は減価償却の対象になりますが、土地は減価償却の対象にならないため、それぞれの計算が必要です。
賃貸する際も、
- 居住用は非課税
- 事業用は課税
と異なるため、消費税計算にも注意しなくてはいけません。
また支払い面では、修繕費・固定資産税があります。
賃貸用の土地・建物の購入で多額の借入金が発生するため、不動産賃貸業の経理は「適切な収支管理」が求められます。
売買
不動産売買業は、購入した土地・建物を売却してその差額を利益として得る、高額な取引を行うことで利益を出しています。
不動産売買業の経理は、販売する不動産の売上と仕入れに加えて、在庫の計上などの「仕分け処理」が重要になります。
賃貸とは異なり、不動産の取り扱いが固定資産ではなく商品となるため減価償却の対応はありません。
商品となる土地・建物は在庫として計上しますが、購入にかかった仲介手数料は費用ではなく資産として計上しなくてはなりません。
また消費税計算にも十分な注意が必要です。
- 土地の売買は非課税
- 建物の売買は課税
このように、非課税である土地は消費税が発生しないのに対し、課税である建物は消費税が発生するなど、不動産売買業の経理は「細かな業務での正確な処理」が求められます。
これらの対応を誤ってしまうと税務調査で問題になることもあります。
仲介
不動産仲介業は、賃貸・売買のように不動産は所有せず、賃貸・売買する際の仲介手数料で利益を出しています。
不動産を所有しないため、減価償却や土地・建物の計上などの業務が発生しません。
仲介手数料は課税となるため消費税が発生するのも賃貸・売買と異なりますが、特殊な取引でない限り難しい計算もありません。
また、不動産仲介業の経理は仲介手数料の処理に加え、「人件費の管理」が重要になります。
1件あたりの取引金額が小さいため、多くの営業社員を雇っているからですね。
歩合制を導入している企業も多く、成績管理・歩合計算が発生します。
そのため、不動産仲介業の経理は「タスク管理能力」が求められます。
不動産経理のメリット
不動産経理として働くメリットからご紹介します。
未経験でも応募できる求人も多く、ある程度スキルがあれば職場復帰もしやすい経理職は、営業職に比べてハードではないため男女問わず人気のある職種です。
スケジュールを立てやすい
営業と違い、顧客スケジュールに左右されにくい点が魅力です。
また、決算期などの忙しい時期以外は定時で帰れることも多く、家庭との両立がしやすい点から特に女性に人気があります。
スキルが身につく
経理としての専門知識に加え、不動産特有の知識も同時に取得できます。
長く勤めるほど経理業務に精通し、どんどん経理としてのスキルを身に付けることができるのも魅力です。
仕事内容は一度覚えてしまえばブランクがあったとしても問題ないため、出産や育児などで仕事を離れていても職場復帰がしやすいです。
一般事務と比べ給料が高い
不動産経理は専門知識が必要になるため、事務職の中では給与水準が高い傾向にあります。
専門的な仕事は資格やスキルがないと応募できないイメージがあるかもしれません。
しかし、未経験でも応募できる求人も多いので、キャリアアップをしたい方にもおすすめです。
不動産経理のデメリット
次に、不動産経理として働くデメリットをご紹介します。
ルーティン作業が多い
不動産業界に限らず、経理業務は基本的にルーティン作業が多いです。
一度覚えてしまった仕事内容は、ブランクがあったとしても問題ないためメリットでもありますが、同じ作業をこなしていく仕事はマルチタスクをこなしたい方にとっては物足りないと感じてしまうこともあるでしょう。
真面目にコツコツ業務をこなすことが得意な方に向いています。
年収が上がりにくい
営業と比べ、会社の利益に直結する業務ではないため、給与は上がりにくいです。
成果を出せばインセンティブが発生するわけでもなく、毎月ある程度同じ金額しかもらえませんので、安定志向の方が向いています。
決算期には残業が増える
決算期は、通常業務に加え決算業務が発生するため、残業が発生することがあります。
営業など他の部署への確認作業も発生するので、スムーズに作業が進まないなんてことも多々あるでしょう。
会社の経営に関わる業務のため、ミスは許されず責任ある業務を正確にこなせる方が向いています。
不動産経理を目指すために必要なスキルは?
前述の通り、専門知識が必要な不動産経理の仕事をこなしていく上で、役立つスキルをご紹介します。
不動産経理に興味がある人や不動産経理として既に働いている方にとっても参考になるので、是非読み進めてくださいね。
PCスキル
経理の業務では、パソコンで作業をするタイミングも多くあります。
書類作成業務で役に立つWordやExcelの他にも、複雑で情報量の多い計算をこなすには関数を使用して作業の効率化を図る必要があります。
このような基本的なパソコンのスキルは持っておくと役に立つでしょう。
コミュニケーション能力
事務処理だけではない経理職。
販売・受注・成約など不動産の契約を結ぶ営業担当者とのコミュニケーションはもちろん、時には社外とのやり取りも発生します。
また、会社の経営に関わる業務のため、役職によっては経営会議などで状況を説明する場合もあります。
情報を正確に共有し、円滑に業務を行うためにはコミュニケーションが欠かせません。
簿記に関する知識
不動産に限らず、経理職では簿記に関する知識があると役に立ちます。
減価償却や消費税の計算など、時には複雑な計算が発生する場合もあるので資格が活かせるでしょう。
経理の実務経験がない方にとっても、日商簿記2級以上であれば転職においても有利になります。
転職時に資格取得が間に合わなくても、
- 資格取得するという目標を持つことができる
- 資格取得に向けて勉強できる
という事実がアピール材料にもなるため、学習して損はありません。
計画性や正確性
経理はお金に関わる仕事のため、計画的かつ正確に業務を遂行することが求められます。
会社の経営を支えていくポジションとして、些細なことにも気を配り、常に確認を取りながら正確な仕事をする必要があります。
少しのミスでも会社にとっては大きな影響を与えてしまう可能性もあるため、正確性を持ち合わせた方なら他の求職者と差別化できるでしょう。
最後に
今回は不動産経理についてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
会社経営をお金の面で支えていく重要なポジションであり、不動産業界では業務形態により特徴が異なる点はやりがいを感じられるかと思います!
不動産キャリアでは、経理をはじめ様々な職種の求人にご応募いただけます。
ご転職をお考えの方も、これから検討される方も、是非一度「無料の個別面談」をご相談してみてください。